カスハラの定義やカスハラ対応の重要性を理解したとしても、実際にカスハラの対応をするには様々なハードルがあります。
1つは、カスハラに該当するかどうかの判断、即ち、当該クレームが、法的に見て、企業側に瑕疵や過失がない要求といえるか、サービスの提供と関係の無い要求といえるか、手段・態様が不相当といえるか、を判断しなければならない点です。
もう1つは実際にカスハラ被害にあった場合に、その行為を相手方にやめさせるために、法的手続を含め、適切な対応をとることができるかという点です。
こうしたハードルは弁護士に依頼すれば、次のように解決することができます。
カスハラに関する事実関係について丁寧にヒアリングをします
ヒアリングに加え、必要な場合にはさらなる調査をします
ヒアリングと調査を元に把握した事実関係について、専門的な知識や経験に基づき、法的な分析をし、カスハラ該当性の判断を行います
上記分析・判断を元に適切な対応を助言します
対応のあり方はケースバイケースですが、一例として、弁護士に依頼すれば、次のような対応をすることができます。
上記「カスハラ該当性の判断」の手順を踏みます。
相手方に「受任通知」を書面で送るなど連絡し、弁護士が代理人となったこと、以後は弁護士にのみ連絡し、依頼者に直接連絡しないよう求めます。
請求するものがあれば請求し、支払うものがあれば適正妥当な範囲で支払を提案するなど、当該カスハラの態様に応じて、適切な法的処理を進めます。
相手方と話がつけば、必要に応じて、合意書などを交わします。相手方が要求行為をやめて、終結することもあります。
相手方と話がつかず、依頼者に直接連絡を続けるなどする場合は、裁判所へ接近や架電を禁止する仮処分などの申立を行います。権利関係を明確にする必要がある場合などには訴訟提起なども行います。
仮処分申立・訴訟提起と並行して、必要に応じて、警察への相談・情報提供を行い、特に悪質な場合は、依頼者と相談の上、被害届の提出や告訴等の刑事手続を行います。
カスハラ対応においては、体制作りや知識・ノウハウの周知など、事前準備が大切です。弁護士に依頼すれば、平時の業務においてどのような体制を構築すべきかの相談をしたり、カスハラ対応の基本的事項について社内研修などを行ったり、といった事前準備の手助けを得ることもできます。
継続的に知識をアップデートしたり、日々生じるカスハラに迅速・適切に対応したりするためには、日頃より弁護士に気軽に相談できる、顧問契約を締結することも有益です。