2025/04/10 公開

カスハラ対策ポスターのご案内(その2)

先日当サイトに掲載したブログ「カスハラ対策ポスターのご案内」には、多くの方が関心を寄せてくださったようでした。企業や店舗の皆様が、いかにカスタマーハラスメント(いわゆる「カスハラ」)への対応に関心を持たれているかを実感しました。
今回はその続編として、さらに詳しくカスハラ対策ポスターについてご紹介させていただきます。

私がこのテーマを取り上げることにしたきっかけは、ある和菓子店を訪れた際に見かけた、印象的なカスハラ対策ポスターでした。店内のちょうど中央あたり、和菓子のショーケースの上に掲示されており、思わず目を引かれました。決して主張が強いデザインではなかったものの、その存在感から「もしかすると、実際に困った出来事があったのかもしれない」と感じたのを今でも覚えています。

カスハラという言葉が広く知られるようになった一方で、現場での対応に悩む企業や店舗は少なくありません。理不尽なクレーム、暴言、無理な要求など、従業員に対する心ない言動は、精神的な負担や離職の原因にもなりかねません。そのような中で、カスハラ対策ポスターは「会社として従業員を守る姿勢」を示す大切なツールとなります。

掲示場所については、目立つ場所であっても構いません。今回私が見た和菓子店のように、店内の中央やカウンター上など、お客様の目に留まりやすい場所に設置することで、来店者への啓発にもつながります。もちろん、控えめに掲示したい場合には、出入口の脇や壁の一角など、スペースや雰囲気に応じて柔軟に対応していただければと思います。

前回のブログでは、厚生労働省のホームページ上に掲載されたポスターをご紹介しました。ポスターは下記の通り6種類あって、いずれも作成名義は「国土交通省」「経済産業省」「消費者庁」「厚生労働省」「法務省」「警察庁」「農林水産省」の連名となっています。どなたでもデータをダウンロードし、印刷して利用することができます。

デザイン1(スーツ姿の男性がスーツ姿の男性にクレーム)
デザイン2(レジ前で女性が店員にクレーム)
デザイン3(男性がウエイトレスにクレーム)
デザイン4(男性が配達員にクレーム)
デザイン5(女性が電話でコールセンター担当者へクレーム)
任意のイラストを追加できるもの

ただ、デザイン1~5については、顧客が店員をひどく叱りつけるイラストで、「少し強すぎる」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。そこで、私が試しに「任意のイラストを追加できるもの」を利用し、より柔らかい雰囲気のポスターを作ってみました。

このような利用方法もありますので、ご参考になさってみて下さい。

職場は、従業員が安心して働ける環境であってこそ、本来の力を発揮できる場所です。カスハラは、一人ひとりの小さな声では解決が難しい問題だからこそ、企業としての明確な姿勢が重要です。ポスター掲示は、その第一歩になります。
従業員を守る取り組みとして、また会社の理念を形にする手段として、ぜひカスハラ対策ポスターの導入をご検討いただければ幸いです。
なお、皆様のニーズ等も踏まえて、当事務所でポスター作成の監修も可能ですので、よろしければご相談下さい。

2025年4月10日
弁護士 細田 祥子

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