2025/08/18 公開
カスハラ対策補助金・奨励金について~補助金を活用して、従業員を守る職場づくりを~
これまで、当ブログにおいて自治体によるカスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)防止条例や基本方針及びガイドラインの策定についてご紹介してまいりました。
こうした社会的な動きはより高まり、現在では企業のカスハラ対策を後押しするため、東京都および名古屋市が補助金制度を設けています。
各制度の概要についてご紹介いたしますので、対象となる企業の皆様は是非ご検討いただき、就業環境の整備に役立てていただければと思います。
(詳細については各制度のHPをご確認ください。※1・2)
●東京都:カスタマーハラスメント防止対策推進事業(企業向け奨励金)
対象事業者の要件
常時雇用する従業員の数が300人以下の都内で事業を営む中小企業等
支給額
40万円
対象となる取組
- カスハラ対策に関するマニュアルの作成
- 以下のいずれかの取組
- 録音・録画機器の整備
- AIを活用した対応支援システムの導入
- 外部人材の活用(弁護士、社労士等)
事業実施期間
令和7年6月30日から令和8年3月31日
(令和7年度の申請受付は年3回、各回1000件の予定。第1回の申請はすでに終了しており、第2回の申請受付は9月頃を予定)
申請方法
国(デジタル庁)が提供する電子申請システム「Jグランツ」による。
(来所や郵送による申請はできません)
名古屋市:中小企業カスタマーハラスメント対策支援補助金
対象事業者の要件
下記1.~3.を全て満たしている名古屋市内の中小企業
- 名古屋市新事業支援センターが実施するカスハラ対策セミナーを受講済みであること
- 名古屋市新事業支援センターでカスハラ対策に関する相談をうけていること
- カスハラ対策を実施することを従業員等に対して表明していること
補助率・補助金額
補助対象経費の2分の1・補助金額5万~30万
補助対象経費
- 管理用カメラ導入費(管理用カメラ・設置費等)
- 通話録音装置導入費(通話録音装置・設置費等)
- 基本方針、基本姿勢、対応マニュアル等の作成のために必要な謝金として、依頼した弁護士や社会保険労務士等に支払われる経費
申請期間
第1期申請期間
令和7年8月1日(金)~令和7年8月29日(金)
16時必着
第2期申請期間
令和7年10月1日(水)~令和7年10月31日(金)
16時必着
申請方法
申請フォームからExcelデータ及びPDFデータの提出
現時点では、東京都と名古屋市以外でカスハラ対策の補助金制度は見当たりませんでしたが、他の自治体でも同様の補助金制度ができ、従業員が安心して働ける環境の整備が進むことを期待します。
また、当事務所では、カスハラ対策マニュアルの作成、従業員研修、相談窓口の設置など、企業の実情に応じた対策支援を行っておりますので、お困りの際にはご相談いただければと思います。
- 東京都「カスタマーハラスメント防止対策推進事業 企業向け奨励金」
- 名古屋市「中小企業カスタマーハラスメント対策支援事業」
2025年8月18日
弁護士 志智 哲